※本記事にはプロモーションを含みます。
2026年8月29日の昼前、25秒のあいだに、App Store Connect から5通のメールが届き、提出していたアプリ5本すべてが同じ理由で差し戻されていました。
理由は Guideline 4.3(a) – Design – Spam、つまりスパム判定です。
この記事は、届いた文面の全文と、原因を切り分けるために調べたことの記録です。まだ解決していないので、解決していない時点の記録として書いています。
25秒で5本。届いた順とアプリの一覧
| 届いた順 | アプリ | 提出した順 |
|---|---|---|
| 1 | ResaleAI 1.0 | 1番目 |
| 2 | AIスタンプ工房 1.0 | 2番目(宅建PASSと同じころ) |
| 3 | 電工PASS 1.0 | 5番目 |
| 4 | 占師総本山 1.0 | 4番目 |
| 5 | 宅建PASS 1.0 | 2番目(AIスタンプ工房と同じころ) |
提出した順番でもなく、アプリの内容とも関係のない順で25秒のあいだに処理されているので、アプリごとに中身を見た判断ではなく、まとめて一括で処理された形です。
届いた文面の全文
5本とも同じ定型文でした。原文をそのまま載せます。
Guideline 4.3(a) – Design – Spam
Issue Description
We noticed the app shares a similar binary, metadata, and/or concept as apps submitted to the App Store by other developers, with only minor differences. Submitting similar or repackaged apps is a form of spam that creates clutter and makes it difficult for users to discover new apps.
Next Steps
Since we do not accept spam apps on the App Store, we encourage you to review the app concept and submit a unique app with distinct content and functionality.
Resources
Some factors that contribute to a spam rejection may include:
– Submitting an app with the same source code or assets as other apps already submitted to the App Store
– Creating and submitting multiple similar apps using a repackaged app template
– Purchasing an app template with problematic code from a third party
– Submitting several similar apps across multiple accounts
本文には「他の開発者が提出したアプリと似ている」と書いてありますが、Resources に並ぶ4項目を読むと、同一の開発者が短期間に似たアプリを複数出した場合を指すものが中心で、本文と Resources で指している対象が少しずれています。
同じ日に、別のアプリは承認されている
重要な事実がひとつあります。同じ8月29日の早朝、5本が落ちるより前に、モグミル 1.0.1 は承認されて販売中になっていました。
そのモグミルは、いまもApp Storeで公開しています。ダウンロードはこちら: モグミル – App Store(無料)。
つまりアカウント全体が止められたわけではなく、この事実があるので、開発者アカウントそのものが凍結されたと考える必要はありませんでした。
4.3(b)と4.3(a)は別物。同じアプリで理由が変わった
占師総本山という占いアプリは、同じ日の、日付が変わった直後にGuideline 4.3(b)という別の理由で落ちています。
4.3(b) はガイドラインの原文にこう書かれています。
Don’t submit apps that are indistinguishable from what’s already widely available. Certain kinds of apps, such as dating, flashlight, sound effects, wallpaper, simple timers, and fortune telling, are well established on the App Store and we will not accept new submissions unless they offer a meaningfully different or improved experience.
App Review Guidelines 4.3(b)
fortune telling、つまり占いは名指しで「新規は受け付けない」と書かれています。公開されている規約に最初から書いてあったので、運が悪かったのではなく、読んでいなかっただけです。
そして同じアプリが、11時間後には 4.3(a) に理由が変わって落ちています。4.3(b)は「そのカテゴリは飽和している」、4.3(a)は「重複・使い回しである」で、指摘の中身が別物なのです。
条文を読むと、4.3(a)は「他人と似ている」の話ではない
ガイドライン 4.3(a) の原文はこうです。
Don’t create multiple Bundle IDs of the same app (for example, submitting a separate map app for every city in the world instead of a single worldwide map that allows users to search any city).
App Review Guidelines 4.3(a)
条文が禁じているのは「同じアプリを複数のバンドルIDで出すこと」であって、「他の開発者と似ていること」ではなく、却下メールの本文とは指しているものが違います。
心当たりを、事実だけ並べてみる
自分のアカウントで起きていたことを、感情を抜いて並べるとこうなります。
- アカウントの開設から3週間しか経っていない個人アカウントである
- その20日間で6本のアプリを作り、12回の提出を行っている
- 8月28日、深夜の4時間のあいだに6本をまとめて提出・再提出した
- 占師総本山を、4.3(b)「コンセプトを再考せよ」を受けた2時間たたないうちに、同じコンセプトのまま再提出した
- 宅建PASSと電工PASSは、同じ作りの資格一問一答アプリで、違うのは問題データだけである
並べてみると、外から見たときにスパム農場に見える条件がひととおり揃っていて、特に4番目は自分でも擁護できません。「コンセプトを再考しろ」と言われた2時間後に同じものを出し直せば、機械的にも人間的にも心証は悪くなるからです。
コードの共有は決定打ではなかった(調べた結果)
最初は「宅建PASSと電工PASSでコードを使い回したのが原因だ」と考えましたが、日本のApp Storeを実際に調べると、同じ型の資格アプリを4本以上出している開発者が40以上あり、2026年に新規参入して宅建と第二種電気工事士の組み合わせを同じ月に出して通っている例も複数ありました。
2本の画像・アイコンの共有はゼロなので、コード共有だけで落ちているなら、通っている40以上の開発者の説明がつきません。昼の時点で出した「コードの共有が原因」という結論は、夕方に調べ直して取り消しました。
やってはいけないこと
4.3(a) を受けた開発者の記録を読んだ範囲で、共通して書かれていたことがあります。直して即再提出、を繰り返さない。4.3(a) はスパム判定なので、理由を解消しないまま再提出を重ねると Developer Program からの除名に向かい、これはガイドラインの 4.3(b) の末尾にも明記されています。
Repeated submissions of this kind may lead to removal from the Apple Developer Program.
App Review Guidelines 4.3(b)
見た目だけ変えて出し直す対応はほぼ通らないという記録が並んでいて、旗が立つのはアプリ単体ではなくアカウントの振る舞いに対してなので、アプリを直しても消えないのです。
いまやっていること
- 止めた。返事が来るまで、新しいビルドを上げない・再提出しない・新しいアプリを作らない
- 別アカウントは作らない。却下文の Resources の4項目めが「複数アカウントにまたがる類似アプリの提出」なので、これをやると確実に悪化する
- Resolution Center への返信を、アプリごとに別々の文面で用意した。定型の言い訳ではなく、どのアプリと重複していると判断したのかを問い合わせる内容にした
- Apple の担当者と直接話す窓口(App Review の面談)の申し込み文を用意した
- 占師総本山は 4.3(b) で名指しされたカテゴリなので、いまの形では再提出しない
調べた範囲では、4.3(a) が解けた事例はほぼ全部「人が読んで誤解が解けた」ケースで、機械の判定を機械的な再提出で覆せた記録は見つかっていません。
この記事を書いている時点での状態
まだ解決しておらず、返信を送って返事を待つ段階です。結果が出たら続きを書きます。
同じ文面を受け取って検索でここに辿り着いた人のために、ひとつだけ先に書いておきます。その定型文は、あなたのアプリの出来を評価した文章ではなく、5本に25秒で同じものが届く種類の通知です。まず落ち着いて、直して出し直す前に、どのアプリとの重複を指しているのかを問い合わせてください。
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出典
- App Review Guidelines 4.3 Spam(原文)https://developer.apple.com/app-store/review/guidelines/
- App Store Connect から受信した却下通知5通および 4.3(b) 通知1通(いずれも2026年8月29日)
- モグミル 1.0.1 の承認通知(2026年8月29日)
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